電力会社の乗り換えにはスマートメーターが必須!
2018/09/10
電力自由化により、多くの新電力が参入。
電力会社の乗り換えを検討されている方も多いと思いますが、新電力に乗り換えるにはスマートメーターの導入が必要となります。
ここでは、スマートメーターの導入がなぜ必要なのか?スマートメーターで何が変わるのかを紹介します。
スマートメーター導入は国の政策
スマートメーターの導入は、「エネルギー基本計画」に盛り込まれています。
電力自由化により需要家の電力会社の選択肢が拡大することが予想されますが、拡大に対応できる電力の供給構造が必要であり、これを実現するためにはスマートメーターの導入が必要と考えられているためです。
簡単に言うと、従来の電力量計では「電力システムの改革ができない」という事です。
また、電力の安定供給のためには需要の抑制ができる仕組み等の構築が必要で、ディマンドリスポンスの手法を確立する必要があり、これを実現するためにも2020年代早期にスマートメーターを全世帯・全事業所に導入する必要がある。
難しいワードが出てきましたが、「ディマンドリスポンスの手法を確立する。」
ディマンドリスポンスとはどういったものなんでしょうか?
ディマンドリスポンスとは・・
ディマンドリスポンスは、大きく二つに区分されます。
- 電気料金設定によって需要を制御しようとする電気料金型
- 需要家が需要を制御するネガワット取引
電気料金型ディマンドリスポンスとは
電力需要のピーク時に電気料金を値上げすることで、各家庭や事業者に電力需要の抑制を促す仕組。
ただ、抑制なので効果は不確かとなる。
ネガワット取引とは
電力会社との間であらかじめピーク時などに節電する契約を結んだ上で、電力会社からの依頼に応じて節電した場合に対価を得る仕組。
契約を結んでいるので、確実に電力抑制ができる。ただし、対価=なにかしらのメリット(例えば、新電力会社のポイントや割引など)が必要となる。
こういったディマンドリスポンスの手法を取り入れることでコストの高い電源の焚き増しを抑えられる可能性がある。
つまり、電力の供給不足を補うために火力発電を追加稼働させることによるデメリットを回避できる。という事です。
こういったディマンドリスポンスの仕組みを実現するためにはスマートメーターによる電力使用量の把握が必要となる。
現在のスマートメーターの設置台数
現在電力メーターの設置台数は、国内全体で約7800万台。これを、2024年までにスマートメーターに切り換えていくわけですが、現在までの導入は、2015年度末までには1116万。2016年内には2300万台の計画となっています。
全ての電力会社は、HEMS設置等に伴いスマートメーターの設置を希望する需要家や、小売全面自由化後、小売電気事業者の切替を希望する需要家に対しては、スマートメーターへの交換を遅滞なく行うことを表明(平成25年9月)。
つまり、電力会社のスイッチング(切り換え)を行うと優先的にスマートメーターが設置されるという事です。
スマートメーターの全世帯設置には、まだまだ年数がかかりますが、このスマートメーターがないと国の政策が達成できません。
したがって、スマートメーターは無料で設置となり、各家庭での負担金はありません。
スマートメーターの主な機能とサービス

出典:資源エネルギー庁
毎月の検針業務の自動化
従来は1か月間に1回の検針により電気の使用量を計測(検針)していましたが、スマートメーターであれば30分ごとに電気の使用量を計測。これにより、毎月の検針業務が必要なくなります。
通信機能を搭載
スマートメーターには、計量部以外に通信ユニットが組み込まれています。この通信ユニットの機能によって電気使用量のデータが電力会社の専用管理サーバーに送られます。
この通信機能を利用することで引越しする場合など、スマートメーターの電力量(検針値)を遠隔で確認できるので、立ち会いなどの負担を軽減できるようにもなります。
同様にアンペア変更時にも立ち会いがなくても変更ができるようになります。
宅内向け通信機能を搭載
宅内にHEMS(Home Energy Management System)機器があればスマートメーターで計測した電力使用量を確認することが可能。
スマートメーターには計測した電力使用量をリアルタイムで宅内端末(HEMS等)へ送信する機能が搭載されており、30分ごとの電気の使用量や電流値等を把握。
これを活用することで、電気の使い方に応じた料金メニューの検討、より効果的な省エネを行うことができるようになります。
スマートメーターが生活を変える
スマートメーターをHEMSを通してテレビやエアコン、冷蔵庫などの家電製品とリンクしておくと、それぞれの電力消費量を「見える化」することができます。
電力利用データを活用したサービスも期待されています。
例えば、遠く離れた高齢の家族、ひとり暮らしの親などの生活について、HEMSデータから高齢者の生活パターン異常を検知することで異常を早期に発見し、応急処置や搬送サービスを提供。
または、在・不在分析による効果的な宅配サービスや機器メンテナンスサービスやホームセキュリティサービスといったサービスも可能となります。
今までなかったサービスが生まれるということは、利便性の高い生活スタイルに変化するということです。
情報漏えい・セキュリティといった問題も出てきますが、スマートメーターとHEMSでライフスタイルが大きく変化するでしょう。